太陽光発電がシミュレーションを16.3%上回ったのはなぜ?気象庁データから原因を検証

太陽光発電を導入して約1年が経ちました。

導入前に業者から提示された発電シミュレーションと、実際の発電量を比較してみたところ、思っていた以上の結果になりました。業者のシミュレーションでは年間発電量6,778kWhという数字が出ていたのですが、実際(2025年7月〜2026年6月の12か月間)の発電量は7,886kWh。差にして+1,108kWh、達成率にすると116.3%でした。月別の比較はこちらの記事で詳しく紹介しています。

では、なぜここまでシミュレーションを上回ったのでしょうか。この1年を振り返ると、「例年より雨が少なく、晴れの日が多かった気がする」という感覚があったので、今回はシミュレーションの試算地域として使われた枚方の気象庁データを調べ、実際の天候が平年と比べてどうだったのかを検証してみることにしました。

この1年は本当に「晴れが多かった」のか

太陽光発電を始めてから、以前より天気を気にするようになりました。「最近、雨が少ない気がする」という感覚は、水不足やダムの貯水率低下のニュースを見ていたこともあって、なんとなく確信めいたものになっていました。とはいえ、感覚だけで発電量の増加を説明するわけにはいかないので、気象庁のデータで裏付けを取ることにします。

なお、我が家自体は枚方市にあるわけではありません。導入時のシミュレーションで、我が家の設置場所に近い試算地域として枚方が使われていたため、今回はその枚方の気象データを参考にしています。あくまで「シミュレーションの前提となった地域の天候が、平年と比べてどうだったか」という視点での検証です。

「晴れの日の多さ」は日照時間で見る

雨が少なければ晴れが多いと言えそうですが、雨が降っていなくても一日中曇っていることはありますし、逆に短時間の大雨のあとに晴れることもあります。そこで降水量ではなく、日照時間に注目しました。

日照時間とは、気象庁の定義では直射日光が一定の強さ(直達日射量0.12kW/㎡以上)で地表を照らした時間のこと。ざっくり言えば「そこそこ強い直射日光があった時間」です。なお枚方の日照時間は、日照計による直接観測ではなく、気象庁の推計気象分布による推計値である点は補足しておきます。

枚方の日照時間、平年よりどれくらい多かった?

発電実績と同じ2025年7月〜2026年6月の日照時間を平年値と比べてみると、こんな結果になりました。

実際の日照時間平年値平年比
2025年7月285.8h155.9h183.3%
8月237.4h204.9h115.9%
9月154.0h153.9h100.1%
10月124.6h158.1h78.8%
11月176.3h143.2h123.1%
12月165.3h139.9h118.2%
2026年1月176.4h135.0h130.7%
2月138.5h128.7h107.6%
3月196.7h161.2h122.0%
4月157.8h184.4h85.6%
5月245.5h193.4h126.9%
6月125.7h141.7h88.7%
12か月合計2,184.0h1,900.3h114.9%

※平年値は気象庁の1991〜2020年平年値を使用

12か月合計では、平年より約283.7時間、率にして約14.9%多く日照があったことになります。これを我が家の発電量の達成率と並べてみると、

  • 発電量:シミュレーション比 116.3%
  • 日照時間:平年比 114.9%

かなり近い数字です。もちろん、発電シミュレーションが単純に平年の日照時間だけをもとに作られているわけではないので、「日照時間が14.9%増えたから発電量が16.3%増えた」と単純に結論づけることはできません。それでも、発電量が大きく上振れした年に、試算地域の日照時間も平年を大きく上回っていたというのは、無視できない材料だと思います。

月ごとに見ても、傾向は似ている

特に目立つのが2025年7月です。日照時間は平年比183.3%、実に平年の1.8倍近くありました。そしてこの月の発電量は、シミュレーション742kWhに対して実績1,040kWh、達成率140.2%と、12か月の中で最もシミュレーションとの差が大きい月でした。

真夏はパネル温度が上がることで発電効率が下がりやすい(高温になるほど出力が落ちる)と言われる時期でもあります。そう考えると、気温面ではむしろマイナス要因が働きやすい月に、これだけの達成率が出たのは、日照時間の多さがそれを打ち消して余りあるほど大きかった、ということなのかもしれません。

似た傾向は他の月にも見られます。2026年1月は日照時間が平年比130.7%、発電量はシミュレーション比134.3%。3月は日照時間122.0%に対し発電量123.2%、5月は日照時間126.9%に対し発電量122.8%と、日照時間が平年を大きく上回った月は、発電量もシミュレーションを上回る傾向がありました。完全に一致するわけではありませんが、方向性としてはかなり揃っています。

「雨が少なかった」というより「日射に恵まれた」

今回調べるきっかけになった「雨が少なかった」という感覚ですが、実際に枚方の降水量を見ると、7月・9月・11月・1月・2月・3月・5月など平年より雨が少ない月が多く、特に2026年1月は月間降水量0.0mmという月もありました。一方で4月や6月は平年を上回る雨が降っており、年間を通して「極端な少雨だった」とまでは言えません。

ただ、太陽光発電との関係で言えば、降水量そのものより重要なのは日射量です。太陽光パネルは、直射日光だけでなく、雲を通過した散乱光でも発電します。そのため本来は「全天日射量」のほうが、より発電量と結びつきの強い指標です。ただし枚方の観測点では全天日射量は観測されておらず、別地点のデータを持ち出すとシミュレーションの前提条件とズレてしまうため、今回はあえて日照時間を中心に検証しました。

まとめ|日照に恵まれたことが上振れの一因だったかもしれない

今回の検証でわかったのは、

  • 発電量はシミュレーション比116.3%(+1,108kWh)
  • シミュレーションの試算地域・枚方の日照時間は平年比114.9%(+283.7時間)
  • 日照時間が平年を大きく上回った月ほど、発電量もシミュレーションを上回る傾向があった

ということです。日射量・気温・パネル温度・設置条件など、発電量にはさまざまな要因が絡むため、「日照時間が増えたから発電量が増えた」と言い切ることはできません。それでも、平年より日照に恵まれた1年だったことが、発電量の上振れにつながった要因のひとつではありそうです。

裏を返せば、雨や曇りが多い年には、シミュレーションを下回る可能性も十分にあるということ。太陽光発電の実力を評価するには、1年だけでなく2年、3年と実績を積み重ねていく必要があると感じています。我が家でも、引き続き発電データを記録していく予定です。

これから太陽光発電の導入を検討している方にとっても、この結果はひとつの参考になるかもしれません。業者から提示されるシミュレーションは、あくまで平年ベースの見積もりです。今回のように上振れすることもあれば、逆に下振れする年もあり得ます。シミュレーションの数字を「絶対に達成できる保証値」ではなく、「平年並みの天候ならこのくらい、という目安」として捉えておくと、導入後の実績を見たときに一喜一憂しすぎずに済むと思います。

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